小樽と同じ後志(しりべし)支庁にある寿都(すっつ)町の議会選挙(定数10人)が10月2日(日)にありました。
町内のある有権者が、寿都町選挙管理委員会に異議を申し立て、町選管は12月6日に異議を認め、町議選で当選した2人の石沢洋二さん(今回を含めると5期)と蛯沢隆彦さん(同じく2期)は当選失格となりそうです。
北海道新聞はじめ新聞各紙が報じています。
異議の内容は、議員の兼業禁止の定めに抵触する当選者がいるのではないか―というものです。
公職選挙法104条や地方自治法92条の2によって、議員(あるいは首長)がその議員となる自治体と請負関係にあってはいけないと定めてあります(ここでいう請負は、民法の「請負」とは意味が同一ではないそうです。と言われても、民法が意味する請負は私には分かりませんが…)。
当選失格の2人がそれぞれ役員を務める建設会社と寿都町に請負関係があった、と町選管が認めざるを得なかったのではと思います。
議員と、請負関係にある役員との兼業はできません。
この定めは、「関係私企業からの隔離」と呼ばれているようです。
“隔離”とか“民法の請負”とかの用語が出てきても、内容はやさしい話です。なんのことはない。「しっかり正直にやりなさい」「ズルはいけませんよ」という定めです。
「公正な精神と行動を!」ってことでしょうか。当たり前のことのように思います。わざわざ法律で定める以前の、自然状態でも通用する規定だと思います。
むしろ、今回の立候補だけでなく、今まで議員を務めていた状態自体がおかしなわけ(違法状態)です。町民の多くも不思議に思っていた人が多かったのではないでしょうか。
町役場の中では、町と2議員の関係する企業が請負関係にあったことは、公然のことだったと考えるのが自然です。
「あの議員と町役場はズブズブだ」と、正面切っては言わないものの、苦々しく町役場を見ていた人が多かったのではと推測します。
せめて関係部局の管理職が違法な状態を正すような行動を取らなかったか。法的な問題はないとしても、職務倫理上かなりの重罪なのは間違いないでしょう。町長以下「知らぬ存ぜぬ」で、白を切るのでしょうか。
北海道新聞は、「町選管は『会社の受注のうち主要部分を町発注分が占めていると言わざるをえない。兼業を禁止した地方自治法に抵触する』と判断した。」と報じています。
2人の前任期4カ年の総受注額のうち、町発注額が占める割合は、多い年では40%から50%台だったと、道新は明らかにしています。
毎日新聞(12月12日付け)によると、2006年度の総受注額のうち寿都町発注工事の割合は、蛯沢さんの会社が57%、石沢さんの会社が47%だったようです。
道新は、石沢さんの話として「こんなことになるとは、憤慨している。(以下略)」と伝えています。
人口4千人弱の町で、公憤・義憤にかられて異議を申し立てた有権者の勇気ある行動に敬服いたします。
大きな自治体ならいざ知らず、他の自治体でもありうる事例だと思います。北海道に限らずありそうな…、寿都だけではない気がします。
北海道選挙管理委員会に21日以内に不服審査ができます。当選無効が決まれば、再選挙です。
(了)
2007年12月18日
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