2012年10月22日

光る京都新聞 読売も中々  PC遠隔操作の冤罪事件〜7紙社説読み比べ




落合洋司弁護士が21日、真犯人から送られてきたメールの全文を公開しました。
■[話題][刑事事件]遠隔操作事件・真犯人と称する者からのメール全文 08:28
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20121021#1350775731



7紙を比較検討します。
以下、時系列に並べました。

12日付 毎日新聞「PC乗っ取り 捜査の過ち繰り返すな」
17日付 西日本新聞「PC乗っ取り 恐れていたことが現実に」
18日付 神奈川新聞「PC遠隔操作事件 捜査経過の徹底検証を」
20日付 中日新聞(東京新聞)「PC誤認逮捕 ずさん捜査の結果だ」
20日付 朝日新聞「誤認逮捕―捜査が甘すぎる」
21日付 京都新聞「PC誤認逮捕  不当な取り調べ根絶を」
21日付 読売新聞「PC誤認逮捕 取り調べの徹底検証が必要だ」


北海道新聞・河北新報・琉球新報などは、今のところ社説で扱っていません。

ポイントは、
警察の不当な捜査にどの程度論述しているか。
再発防止策の具体的な提案をしているか。
「真犯人」は天皇制や部落解放同盟などに触れている。そこに言及しているか。
以上の3点を中心に読んでみたいと思います。
◎>○>△>×

結論から言うと、3)の 天皇制・被差別部落に言及しているところはなし。
2)の 具体策を提案しているのは、京都新聞だけ。


【毎日新聞】12日付 △〜×
<PCを遠隔操作させるウイルスは世界で1日に十数万種類も生まれ、対策ソフトで排除できるのは一部とされる。>
最初に社説にしたのは評価できるが、人権に対する記述も、再発防止策も具体策なし。

【西日本新聞】17日付 △
<警察の対応には疑問が残る。もう少し慎重に捜査すべきではなかったか。>程度。

【神奈川新聞】18日付 ×
<学生は当初、容疑を否認していたものの、楽しそうな小学生を見て脅かしてやろうと思ったなどという趣旨の話をし、容疑を認めたとされている。供述の変遷を含め、捜査過程を確認する必要がある。>
当初、明治大学の現役学生が否認していたのが、容疑を認めることになったのには、どうしてなのか。そこには、警察のとんでもない捜査があったのではないか。 
<捜査過程を確認する必要がある>では、甘すぎるだろう。筆が鈍っていないか?

【中日新聞・東京新聞】20日付 ○
<「真犯人でない方を逮捕した可能性は高い」。警察庁の片桐裕長官はそう述べて誤認逮捕を認めた。>

<だが、身に覚えがないはずなのに、横浜地検に「楽しそうな小学生を見て、困らせてやろうと思った」と供述したという。自白のでっち上げの疑いが濃厚だ。>
<男性に自白を強要したり、誘導したりした恐れがある。 容疑の否認を聞き入れない。アリバイを調べない。PCのウイルス検査をしない。そんな捜査の基本さえなおざりで傲慢(ごうまん)だった。もはやIPアドレスと自白に頼り切った旧来の捜査手法は危ない。>
<「十人の真犯人を逃すとも一人の無辜(むこ)を罰するなかれ」>

【朝日新聞】20日付 ○〜△
<何より深刻なのは、警察がこのうち二つの事件で、逮捕した人から容疑を認める供述を引き出していたことだ。>

引用を逸脱しているかもしれない長さです。
< たとえば、横浜市のサイトに「小学校を襲う」と書き込まれた事件では、犯行予告に「鬼殺銃蔵」というハンドルネームが記されていた。
 「銃蔵」は不吉な数字である「13」をもじった。神奈川県警に捕まった学生は、警察への上申書でそう「説明」したとされる。しかも予告の詳しい中身は公表されていないのに、上申書には同じ文言が使われていた。
 どんな取り調べ方をすると、やってもいない人がこんなことを書けるのか。
 予告の文面を見せて誘導するようなことはなかったか。検証して公表すべきだ。>

<警察や検察は、過去の冤罪(えんざい)の教訓から、供述だけに頼ることなく、客観的な証拠を重くみる方針を示してきた。>
こんなことを思っている人は、万に一人だろう。


【京都新聞】21日付  ◎〜○
<ずさんなハイテク捜査の見直しも急務だが、国民に不安を与えているのは、取調室で聞く耳を持たず、無実の人を犯人に仕立て上げようとした捜査機関の体質そのものだ。>
<警察と検察への信頼を根底から揺るがす事態だ。なぜ誤認逮捕が相次いだのか徹底的に検証し、公表すべきだ。>

<威力業務妨害容疑で誤認逮捕された大学生は、取り調べに対し、「楽しそうな小学生を見て脅かしてやろうと思った」などと、具体的に動機を供述したとされる。
 なぜ無実の人から、こんな作り話が生まれたのか。捜査員の誘導や、自白を強要する威圧的な取り調べがなかったのか。密室のやりとりを明らかにする必要がある。>

7紙のうち、京都新聞だけが再発防止に向けて言及している。
<各事件の捜査経過や取り調べ中の発言も、公にすべきだ。冤罪(えんざい)を防ぐには取り調べの録音・録画(可視化)が有効だ。><全面可視化が必要だろう。>


【読売新聞】21日付 ○
<逮捕された4人は当初、いずれも容疑を否認したが、警察は耳を貸さなかった。>
<「鬼殺銃蔵」との名前について、「鬼殺は日本酒の商品名。13が不吉な数字だからジュウゾウにした」との“供述”もあった。>

<脅すような尋問によって、警察・検察が描いた構図通りの供述を強要する取り調べがあったとしか思えない。厚生労働省の村木厚子さんを冤罪に巻き込んだ郵便不正事件の教訓は、全く生かされていないのではないか。
 適正な取り調べの徹底が、何より大切である。>

<取り調べを録音・録画する「可視化」の是非を見極めるため、試行が続いている。今回の問題で、導入を求める声が強まるのは必至だろう。>

(了)



posted by びとう さとし at 01:04| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 報道・メディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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