2012年10月04日

大間原発「建設再開」 北海道・朝日・愛媛3紙社説 愛媛は<米国や財界の圧力に屈して>と明快





電源開発(=Jパワー、本社・東京)の北村社長は1日、青森県大間(おおま)町の大間原発の「建設再開」をしました。
※実質的な再開とはまだ呼べる段階でないことと、人でなし企業の意向を既成事実化することに、反対の立場なので【かぎかっこ】をつけています。


◎北海道新聞2日付け社説「大間原発建設 再開は道民無視の暴挙」
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/408535.html
◎朝日新聞 3日付け社説「大間原発―建設再開に反対する」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
◎愛媛新聞 3日付け社説「大間原発の建設再開 これでは国民への背信だ」
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201210033459.html

3紙とも、大間原発の建設再開の動きに反対の立場です。
内閣改造とだぶったこともあってか、河北新報・東京新聞・東奥日報・毎日新聞などでも社説では取り上げていません


【北海道新聞】は、<道民の意向を無視し>ていると、津軽海峡を挟んで函館からわずか23キロに位置する大間原発建設を<暴挙>と断じます。

その函館市の工藤寿樹市長が、建設差し止め訴訟を起こす考えを表明したことを紹介しています。

<立地自治体に限定した狭い「地元」の同意があれば十分>との考えを否定します。
<現状で建設再開を容認した政府はあまりに無責任だ。>とだけ指摘します。
道新は<政府のエネルギー戦略のあいまいさがある>としていますが、「あいまいさ」ではなく戦略がないのだと私には思えます

どちらかというと、おとなしい社説です。正直、雑な印象の社説です。道新の社説も「あいまいさ」がある文章です。抽象的な旧来型の社説です。
旧来型社説とは、実質はどうでもよく、形式だけを整えて批判しましたよ――という社説です。「3・11」後に読者が求めている社説なのか。
(2日付け朝日新聞の國分功一郎さんのインタビュー記事は、ともて勉強になります)


【愛媛新聞】は、主張が論理的かつ具体的です。強靭です。
伊方原発がある愛媛県。伊方原発訴訟の地です。
<建設中の原発について「既に経産省が設置許可を出した原発は変更する考えはない」として建設継続を容認した枝野幸男経産相の発言をよりどころにした危うい判断だ。>
やはり建設作業が中断している島根県の中国電力島根原発3号機を例に、自分に引き寄せて具体的です。

野田政権が<強い拘束力を持つ閣議決定を見送った>のは、<米国や財界の圧力に屈して>のが理由とはっきり主張しています。

<新戦略で、(1)運転を40年に制限(2)安全が確認された原発のみ再稼働(3)新増設はしない―という3原則を先月表明したばかりではないか。>と野田政権の無能ぶりに呆れ、批判しています。
<新戦略は「原発ゼロ」とは両立しない核燃料サイクル政策を当面継続する矛盾を抱えている。大間原発は、その矛盾の象徴的存在と言える。>

<実質的に破綻している核燃料サイクル政策>と、現状を正しく読者に伝えようとする姿勢に共感します。

<何の議論もないまま、福島事故前と同じ構図が維持されようとしている暴挙を容認することはできない。>
「何の議論もない」は、民主党の枕詞のようです。
日本社会全体に言えることかもしれませんが、民主党には顕著です。
成熟しない政治。「(難問の政治課題は)選挙の後に決めよう」という政治家がどれだけ、自己の存在を否定していることか。ある意味では、小泉純一郎首相時代の「郵政選挙」は単純化しすぎですが、争点を明らかにした点で評価できると思います。

<核燃サイクルからの撤退を決断し、新戦略の大きな矛盾を解消するべきだ。>


【朝日新聞】は、<なにより原発依存を減らしていくのが国民的な合意である。>と基本を押さえて論を始めます。
そして、<中国電力・島根原発3号機(松江市)を含め、拙速な工事再開に強く反対する。>と立ち位置を明確にしています。

<Jパワーが工事の再開に踏み切るのは、枝野経済産業相が容認する考えを示したからだ。>と、枝野幸男大臣の責任の重大さを指摘します。


<規制委は原発の安全性を厳格に判断するのが仕事で、脱原発という政治的な課題を背負う組織ではない。政治の責任を、安易に規制委に押しつけるのは筋違いだ。>
民主党の政策を決めていないから、、本末転倒になっている現状をはっきり明らかにしています。(この点を押さえているのなら、日ごろの記事にも反映させてほしいものです)

<新しいエネルギー戦略は「原発ゼロ」を目指しながら、個別政策とのちぐはぐさが目立つ。>

愛媛新聞がふれている「米国要因」は書いてないものの、<過去の投資を無駄にできないとの思いがあるだろう。>とし、暗に国民よりも安全よりも経済性を優先している点を浮き彫りにしています。

最後に、<原発に伴う新たな負担を背負いこむより、むしろ原発ゼロの電力会社というメリットを生かした経営戦略を講じる好機>とJパワー1社というより電力事業会社(業界)全体に脱原発を提案しています。


(了)



posted by びとう さとし at 01:11| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 脱原発・エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。