2012年09月23日

民主党たちの失敗―読み応えの22日の朝日「耕論」




きょう22日付け朝日新聞朝刊オピニオン面「耕論」は、読み応えがあります。「野田代表は続くけれど」と、引退を決めている民主党議員(松井孝治さん)と、民主党を離脱した国会議員(中島政希さん)、報道者(堤美香さん)の三者三様の立場から「民主党政権の失敗」の原因を探っています。

特に中島さんの指摘は、的確で鋭い。衆院議員(比例・北関東ブロック選出)の中島さんは、昨年暮れに民主党を離脱し、現在は「改革無所属の会」に所属する。
<私の離党は陣笠代議士の行動にしては反響があ>ったそうだが、私は議員の名前も今日初めて知った。

八ツ場ダム(やんば、群馬県)が試金石だったと述懐する。長らく続いた自民党の「公共事業」政治にクサビを打ち込むことができるのか、民主党政権を選択し国民が注目していた事業でもある。
ダム事業の中止を訴えていたものの、<既得権益層から反発が上がると、><河川官僚に丸投げする愚を犯した。><官僚自身に行政改革はできません。>と振り返る。

思い起こすと、民主党政権で最初の国土交通省大臣は、前原誠司さんだった。八ツ場ダム事業中止の判断に、「ずいぶん時間がかかるなあ」と思っていたら、国土交通省OB(旧建設省)の前田武志さんが前原さんの後に出てきて、びっくりした覚えがある。いやな予想通り、民主党政権は国民を裏切った。

中島さんは、<民主党は変質した。><政権維持が自己目的化し>たと言う。
<二大政党の一方の旗頭たりえません。自民党の補完勢力>がせいぜいだと民主党を見限っています。

「日本維新の会」について言及し、<初めから二大政党><を期待された新党運動は、戦前の近衛新体制運動しかない。>と紹介しています。
近衛文麿(このえ・ふみまろ)さんは、「二・二六事件」翌年の1937年から3次にわたり首相を務めた。1945年12月に服毒自殺。

2012年の国民が維新の会についてもつ、<危うさを覚えつつも><期待せざるを得ない。>という複雑な思いを的確に分析しています。


堤美香さんは、民主主義の枠組みや政策決定過程の劣化あるいは否定を憂いています。

<議員立法の廃止や、陳情窓口を党のみに一本化するなど、党内の独裁的運営にも危険を感じました。>と政権発足直後の国民の驚きと呆然さを代弁しています。
国民の期待が、悲嘆に変わったケチのつけ始めです。

堤さんは、民主主義の制度を軽視・否定した点も指摘してます。
<与党が会期末直前に法案を出して審議なしに採決する>。昨年3月の衆議院予算員会を例に<「与党による審議拒否」は独裁につながります>と語っています。

私も民主党は言論の府であるはずの国会で、「議論する」政治文化を根付かせることを拒否したと思います。結局、自民党政権の亜流かカーボンコピーです。
国会や政府の行いを国民はしっかり見ていることを忘れているような気さえします。

『ルポ貧困大国アメリカ』などの著書がある堤さんは、<マスコミの沈黙>にも苦言を呈しています。
イメージではなく実態をみて、投票することを呼びかけています。
インターネットのある現代は、マスコミの「中抜け」がある程度は可能です。マスメディアを経由せずとも直接、受け手である国民は情報を取りに行くことができます。

松井孝治さんは、京都府選出の参院議員。鳩山内閣の内閣官房副長官。通商産業省(現産業経済省)OB。今季限りでの引退を表明しています。
<理想を高く掲げすぎたため、成就できたはずの改革まで水泡に帰した>としています。どうも分析が足りないように思えます。

3人とも、震災・原発問題については何ら言及していません。聞き手側か編集上の問題かもしれません。

(了)




posted by びとう さとし at 01:21| 北海道 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治★全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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